2019年日本GP観戦記


↑今年はアルファロメオのチームウェアを着ている人が急増。その理由はもちろんこの人。グッズショップで残っているのはジョビナッツィばっかり。
チケットデザイン(ドライバー部門)でも堂々の人気ナンバーワンでした。(過去のレース部門でも勝利した2005年が3位)

10月13日(日)
 朝の四時。台風19号、またの名をHAGIBISは東海、関東を蹂躙しまくって東北へと移動した。風はまだ強いけど雨はやんでいる。起きてすぐにJR東海、東京メトロ、近鉄のホームページを確認。一番重要な東海道新幹線に関しては5時にならないと最新情報が更新されないので、とりあえず身支度をして東京駅まで向かうことにする。外に出るともちろん人っ子一人いない中、近所のコンビニが一軒だけ煌々と灯りが付いている。
 土曜日の台風の中でも止まっていなかった半蔵門線を目指して清澄白河駅まで向かうのだが、それまでに運良くタクシーでも来ないかなと表通りの方まで出て交差点に差し掛かると全く車も通っていない中奇跡的に1台タクシーがやってきた。回送でもないのでありがたく乗せてもらう。こんな台風の夜にご苦労様です、というと昨日の豪雨の中も流していたとのこと。特に江戸川区周辺で避難所に行く人たちが利用したらしい。
 東京駅に着くとすでに何人かキャリーバッグを引きずっている人がちらほら。外国人観光客の姿も。さらに2人だけだが報道陣も再開の時を待っていた。5時を過ぎていたので改めてJR東海のHPで情報を確認すると・・・

「13日の新幹線は始発からおおむね時間通りに運行する予定です」

よし!

スゲエや日本の新幹線!!

↑未曽有の台風からほんの数時間で復旧。さすがは日本が誇る世界の”SHINKANSEN”。

 ひとまずこれで名古屋までは行ける。5時半になると改札が開き続々と人が入っていく。一軒だけだが弁当屋もやっていた。スゲエや日本のサービス業。ここで朝飯を買いホームに出ると外はもう明るくなっていて、6時6分発ののぞみは定刻通りに東京駅を出発した。
  車窓を眺めていると多摩川、相模川の水位は依然として高いまま。川崎のあたりではところどころ冠水の爪痕も。小田原までは順調に進んだが、電車が静岡県に入るとガクンと速度が落ち始めた。線路の安全を確かめながらの走行になり、在来線並みの速度で進んでいく。普段は速すぎて目にも入らない線路の設備などが見られたのでこれはこれいいもんだ。しかし、楽しんでばかりはいられない。名古屋に到着したのは定刻より40分遅れ。名古屋から乗るはずの特急南紀には間に合わなかった。残念だがそれでも動いてくれただけ万々歳だ。改札口でどうすればいいか聴くと発券窓口でお願いしますと言われ、そちらに行くと快速列車があと4分で出るのでそのまま乗ってくださいと言われ、急いでホームを駆け上がり間一髪で乗り込んだ。特急と違い指定席ではないので満員電車の中はやっぱりほぼ全員F1モード。そしてほぼ全員鈴鹿サーキット稲生駅で降りた。毎度の道を歩き今年も無事鈴鹿サーキットに到着した。いやーなんとかなるもんだ。
 時間は9時40分。台風で土曜日のセッションは全てキャンセルになり、今日の10時から予選なのでそのまま席に向かう。過去2年はグランドスタンドV2席からだったが、今年は金網に遮られないところを求めてB2席を手に入れた。ホームストレートから1、2コーナー、さらにS字の入り口まで見渡せる絶好の眺望だ。
 ちなみに今年のウェアは去年買ったフォースインディアのTシャツ。買って早速(というより買った時にはすでに)チーム名が変わってしまい過去のものになってしまったがチームカラーはあまり変わっていないのでセーフ。涼しくなってもいいように一緒にマルティニ時代のウイリアムズのシャツも持ってきた。こちらはシンプルにマルティニストライプがかっこいいから。

↑B2席からの圧倒的な眺望。さすがは一番人気。

 席に座るとすぐにQ1が始まり、さらにすぐにクビカがクラッシュしてすぐに赤旗に。これ幸いと中断の間にビールを手に入れて再開後はカメラを取り出して飲みながら撮りながら予選を楽しむ。場内にも実況はあるがエキゾーストノートにかき消され細かいタイムや順位はいまいち把握できないがコース上をF1マシンが走っているだけで満足である。


↑10年前に買った旧型のカメラを引っ張り出して光学ズームMAXでの写真。残念ながらこのセッションを撮り終えた後に動かなくなってしまいました。

 アウトラップとインラップのそれほど速くない時にカメラを構え、アタックラップはじっくりと観察する。強風の影響で難しい予選となったが、結果はフェラーリがフロントロウを独占。2列目がメルセデス、3列目はレッドブルというそれなりに順当な結果となった。トロロッソのガスリーもQ3に行き9位と気を吐き、隣のホンダ応援席はすでに大盛り上がり。

  予選が終わりGPスクエアに向かう。B2スタンドからはゆっくり歩いて10分ほど。ついてビックリ。去年や一昨年とは比べ物にならないくらいの人で溢れている!グッズショップも食べ物屋台もどこも行列。そんな中まずは飯だな、といつもの四川坦々麺に並ぶ。やっぱりここは外せない。列は順調に進むが後ろを振り返るとどんどん列が長くなっている。この調子では飯のはしごは無理だと汁なし坦々麺だけを平らげて酒を求めることにしたが、当然ビール屋台も行列。というより反対側の食べ物屋の列とこんがらがってカオスな状態でどこから並べばわからないので、こちらもあきらめここはひとまずハイボールにしておく。こっちはなぜか人が少ないのだ。まあ、同じ値段で量が少なかったらみんなビールを選ぶよな。

↑今年もジョニーウォーカーのハイボールで乾杯!カップも去年よりいい造りで、もちろん持って帰ってきましたよ。

  続いてグッズショップも物色。とにかく今年はもうレッドブルとトロロッソ一色。さらにフェルスタッペン単独のブースもあってこちらはオレンジ一色。メルセデスが少し広くなったほか、去年はフェラーリのおまけだったアルファロメオも少し広くなっていた。そのアルファロメオのブースでうちの息子(8ヶ月)にキャップとタオルマフラーを購入。これからどんどん増えるんだろうなぁ。
  一通り見て回って人ごみに疲れてきたのでB2スタンドに戻る。こちらにある食べ物屋も絶賛行列中。それでも決勝前にもう一杯ビールが欲しいので意を決して列に加わりなんとかビールとフライドポテトをゲット。
 席に戻るともう1時半。ピットロードが開き、レコノサンスラップがスタートした。ここもゆっくりと走っていくので左手にビール、右手にカメラでどんどん撮っていく。各車がグリッドに着く頃には鈴鹿の空にホンダジェットが飛来。国歌斉唱が終わりいよいよスタート。

↑光学ズームが弱い新しいデジカメでデジタルズームMAXにして撮ったもの。このサイズなら画像の粗さは気にならないかも。

 オープニングラップはカメラを構えず固唾を呑んで見守る。いったいどんな波乱が起こるかとワクワクしていたら、見事に目の前でフェルスタッペンとルクレールが接触。となりのホンダ応援席から大きなため息がこちらにまで聞こえてきた。
 一方でポールのベッテルがスタートに失敗し、ちゃっかりとボッタスがトップに。ボッタス、ベッテル、ハミルトン、サインツ、アルボンの順番で序盤は進んでいく。自分のいる1、2コーナーは追い抜きポイントだから2、3台のマシンが接近して飛び込んでくることも多く非常に見応えがある。ここのスタンドのお客さんたちはみんなノリが良く、オーバーテイクがあれば歓声と拍手で讃える。スピード感はそこまでないもののバトルをじっくり見られるのがとにかく最高だ。ボッタスが先頭だからハミルトンの時のように極端な独走にならず、中団ではそこかしこでバトル。さらに接触で大きく順位を落としたルクレールの追い上げなど全く退屈しないレース展開に。


↑やっぱりレースは追い抜きがあると楽しい!それがたとえ周回遅れの処理でも、ですよ。

  きわめつけはレース終盤。2位ベッテルより遅くタイヤを交換した3位のハミルトンが怒涛の追い上げを見せて残り5周でベッテルの後ろについてきた。当然ハミルトンはホームストレートでDRSを使い1コーナーで追い抜こうとし、ベッテルはそうはさせまいとブロックする。この攻防が来るたびにスタンドからは大歓声。4度のチャンピオンと5度のチャンピオンのハイレベルなバトルが目の前で見られて非常に興奮してしまった。


↑チャンピオン二人による息詰まる攻防。今日はこれを見られただけで万々歳!苦労してきたかいがありました。

  結局優勝はアゼルバイジャン以来の勝利となったボッタス。ベッテルとハミルトンの位置は変わらないままフィニッシュ。これでメルセデスは史上初のコンストラクターズ6連覇を達成した。ホンダ勢はフェルスタッペンがリタイアしたもののアルボンが自己最高の4位、ガスリーが8位と2台が入賞。(後日ルノーの2台が失格になりガスリー7位、クビアト10位に)

↑今日はボッタスが完勝。なぜか先頭はいつも写真が少ないので、これも貴重な一枚。

 フェラーリだけは不完全燃焼だったものの、今年も鈴鹿は大団円で終了した。

↑最終周、ガスリーをパスしようとしてグラベルの餌食になったペレス。まあそれでも9位でよかったじゃない。

  レースが終わると始まるのは帰宅グランプリ。今年は表彰式は見られないし、見れたとしてもどうせ公式テーマソングだからパスして早々に白子駅行きのシャトルバス乗り場に向かう。とにかく今年は人出が多く、メインゲートから離れているスタンドからスタートするのでうかうかしていたら順番待ちの行列に巻き込まれてしまう。走ってはいけないからそこそこスピードを上げて歩く。結構な数の人をオーバーテイクしてバス乗り場にたどり着くと行列はようやく一列目ができようかというところ。バスはひっきりなしに走り出していくからあっという間にバスに乗れてしまった。一昨年は表彰式をパスしてグランドスタンドから全速力で歩いて待ち時間なしでバスに乗れたことを考えればチェッカーフラッグから程なくして行動を開始すれば混雑を避けられるということは確かなようだ。今はフィニッシュから表彰式の間にインタビューがあるから結構時間も開くしね。

↑人波をかき分け、バス乗り場についたらまだこんな状態。早く帰りたいときは表彰式はパス。これは鉄則ですな

 白子駅に着いたのは4時半。予約した特急は5時36分発。どうしよう1時間も時間が余ってしまった。駅前の飲み屋もまだ準備中だし、時間潰しの手段もろくにない。あったらいいなという感じで早い時間の特急を検索したら4時56分発の特急に席が空いていたのでササっと特急券を変更する。今でこそこうしてスマホで簡単にできるからいいけど昔は大変だったのだろうな。現に駅の特急券売り場は大行列だし。駅構内のコンビニでビールとつまみを買って特急列車に乗り込む。日はだいぶ西に傾き、どんどん空が暗くなっていく。
 5時半に名古屋についた時にはもう真っ暗。30分早く着いたので名古屋での待ち時間も30分延長だ。ここではお土産を買ったりするので1時間強の待ち時間は想定内だったが、さすがに2時間は暇を持て余してしまう。朝から気を揉みながらの道中で、いい具合に酒も回り疲れてきているので結局新幹線も30分早い列車に変更した。名古屋駅の高島屋の地下食品売り場でカミさんへのお土産として名古屋めし食材と、車内で食べる晩飯(貝づくしとブリづくしの寿司)を買い、キオスクでさらに赤福、きしめんなどお土産を買い足してホームへ。朝の遅れが嘘のように定刻通りに列車がやってきて発車していく。
 席について早速寿司を取り出しビールを開けて一人酒盛り。その後ひと眠りしたらもう東京。家に着いたのは9時半。

↑今年の鈴鹿&名古屋みやげ。「鈴鹿のグラベルペッパー」はステーキに振りかけるとうまいです。

 玄関を開けるとうちのカミさんがラグビーの日本対スコットランド戦を食い入るように見ていた。ラスト10分の緊迫した時間を見ることができ、歴史的勝利にもうひと興奮して長い1日は終わった。

↑来年も行けますように。あわよくばもっとズームの性能がいいデジカメ買って。


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