2018年日本GP観戦記


↑今年最もチームウェアを着ている人が多かったチームトップ2。意外にメルセデスは少なかったですね。

10月7日(日)
  目覚ましは4時45分に鳴った。まだ真っ暗闇の中身支度をする。まあまあの目覚めだ。昨日は週末だというのに酒も飲まず、仕事が終わってから30分も経たないうちに寝たので5時間程度は寝られた。今日もあまりアクセスのよろしくない地下鉄で東京駅を目指す。タクシーが楽に捕まればあと30分寝られるのに・・・5時半過ぎには新幹線乗り場に到着。空いた時間で朝飯でも調達できればと思ったがキオスクは6時にならないと開かないらしく、開店を待って買い物をする。残念ながら新幹線のお供である崎陽軒のシウマイはまだ届いていなかった。サンドイッチと最近飲み始めた「特茶」を買って6時16分発ののぞみに乗って出発。
 この頃にはすっかり日も登り、朝日が眩しい中西へ西へと進んでいく。車内でウトウトしていたから体感時間少な目でまずは名古屋駅に到着。今回は大きめの肩掛けカバンだけを足元に置いての道中、昨年の二の轍も踏まず晴れ晴れとした気分で特急南紀号に乗り込む。すでに列車はホームに入っていて車内に入るとほぼ全員F1仕様。ここでカバンに入れておいたチームシャツを着ることにする。今年は迷った結果モナコで買ったルノーにした。2010年仕様なのでブリヂストンのロゴなど時代遅れ感が強いが、BARホンダにマイルドセブン時代のルノー、果てはスーパーアグリまで意外と古いけどお気に入りなのだろうウェアを着ている人も多いし、何より来季はリカルドがやってくるのでその前祝いというやつだ。
 鈴鹿サーキット稲生駅でほとんど全ての乗客が降り、サーキットへの道を歩く。この時点で陽射しはすでに秋のものではないくらいに強い。風が涼しいのがせめてもの救いだ。汗ばんだ状態で1コーナーゲートまで到着したが、前回と同じでは面白くない、とメインゲートまで歩くことにする。しかし、メインゲートまでは1コーナーから最終コーナーまで、メインストレートを端から端まで歩くことだからGPスクエアに着く頃にはすっかり汗びっしょりに。遊園地を通り抜け、グッズショップも並び、お祭り気分は格別。

↑F1を見に行って正面ゲートから入るのなんて4回目で初めて。確実に気分が上がります。

 リバティメディアが商業権を獲得して色々なものがリニューアルされた今年のF1、少々俗っぽくなったがお祭り感は確実に上がったと思う。

(左)青空がまぶしいGPスクエア。
(右)ピットストップチャレンジはF1オフィシャルのほかにもレッドブルのブースでも。あ、あたしはアブダビで経験済みですので。

 まずはグッズショップから物色。去年はマクラーレン・ホンダの在庫処分市のような感じだったのが、今年は各チームのグッズが満遍なくある。ザウバーなんかはフェラーリブースの端っこに申し訳程度だが、ないよりはましだ。今年はチームウェアは買わないつもりだったが、結局フォースインディアのTシャツを購入。ネイビーにピンクのラインでオールピンクよりも普段使いがしやすそうだ。これで家には5チームのウェアが揃うことに。

↑こんなに面白おかしくディフォルメされてしまっては5タイムズチャンピオンも形無し。

 ヒストリックカーの展示は今年はホンダコレクションホールから。ロータス99T、マクラーレンMP4/6、そしてホンダRA106の3台。すでにもてぎで見ているマシンなので軽く流し見で済ませる。こちらを見終わった頃には時刻は10時。ヒストリックカーのデモランの時間だ。
 今回の目玉は1998年のチャンピオンマシン、マクラーレンMP4/13で、このイベントのためにドイツの博物館から空輸されてきたというだけでなく、ドライブするのが実際にこのマシンを駆ったミカ・ハッキネンというのもさらにスペシャル。他にもフェリペ・マッサにジャン・アレジもフェラーリをドライブ。ティレル019にベネトンB189というバブル世代には懐かしいマシンから、AGSJH23という超がつくキワモノまで合計10台の豪華ラインナップ。サーキットに自然吸気エンジン特有の甲高いエキゾーストノートが響き渡る。たった一台通り過ぎるだけで鼓膜がビリビリする。今のターボF1では忘れてしまった感覚だ。2010年にサーキットで観戦した時は耳栓が無いと耐えられなかったからなぁ。

↑歴史を彩ったマシンがのびやかに鈴鹿をかける。マクラーレン・メルセデス×ハッキネンは今でも絵になりますなぁ

 ひとときのタイムスリップを楽しんでからは腹ごしらえ。と言っても食べるのは去年と同じ伊勢うどんと汁なし坦々麺。特にこの担々麺がサーキット飯にしておくのが勿体無いほどうまいのだ。だから昼時は行列ができていた。そして暑いので、いやそんな理由は後付けで飲むパンことビールもここからスタート。続けざまに二杯飲んでからさらに去年は無かったジョニーウォーカーのハイボールにも手を出す。しかもレッドなんて安いものは使わずジョニ黒で。ハイボールを作るのに使うメジャーやマドラー(炭酸で割った後にステアもしてくれる)は銅製となんとも洗練されている。あまりにハイセンスでこちらも襟を正してしまうほど。飲んだくれ気分は抜けて 決勝に臨む。と言っているわりにドライバーズパレードをうっかり見逃してしまった。

↑このハイボールのプラスチックカップ、造りがよかったので持って帰ってきました。
カバンに入れてしばらくしたら割れていて、「じゃあ仕方ねえなー」と2杯目を・・・


 席は今年もV2席だが、最終コーナーに近いTブロックでホームストレートよりも最終コーナーの立ち上がりを楽しむ感じだ。スタート進行は遙か先で、表彰台も少し遠い。パルクフェルメは目の前だが看板に若干視界が遮られる。ピットロードに入るとガードレールに隠れるので写真を撮るポイントは昨年同様金網越しでホームストレート、ということになる。去年より上段の席にしたので金網は避けられるかと思ったがあまり変わらなかった。まあいい、写真は撮りつつその目でもマシンを追っていくことにしよう。
 というわけでピットロードを通っていくレコノサンスラップもスタート進行もやや蚊帳の外で淡々と過ごす。

↑今回の席からの眺め。スタート進行はあんなに向こう。

 そして53周のレースが開始。クリーンなスタートだったが、その後数周でマグヌッセンがタイヤをバーストさせたりライコネンとフェルスタッペンの攻防があったりと忙しい展開に。といったところでコースに散らばったデブリの掃除のためにセーフティーカーが入った。一枚の中にたくさんのマシンを写すこともできた。

↑最終コーナーを立ち上がるマシンたち。1枚にこんなに多くの台数を収められました。

 レース再開後は一転して穏やかな展開に。正確にいえば1位と2位が全く動かない展開で3位以下はまだまだバトルが続く。徐々にフェルスタッペン、リカルド、ライコネンは単独走行になっていくがその後ろ、グロージャン、ペレス、オコン、ガスリーあたりは連なった状態で周回を重ねる。オーバーテイクシーンは少なかったものの、マシンを鑑賞するにはいい状態だ。メルセデスの二台はどんどんと後続を引き離していくので、単独で現れたり集団に混じって現れたりとまさに神出鬼没。ハミルトンが通り過ぎてからカメラを構えてボッタスを撮るのでハミルトンの写真は少なめ。


↑今年もいろんな角度で撮ってみました。去年より小さいですがその分金網が少し気になりません。

 陽がだいぶ西に傾いてきた頃にレースは終了。優勝はハミルトン。危なげない勝利だった。2位はボッタス。3位は5秒ペナルティを受けながらも後ろのリカルドを最終周で5秒引き離したフェルスタッペンが入った。リタイヤがマグヌッセン、ヒュルケンベルグ、ルクレールだけだったので存分にF1マシンを堪能できたが、レース内容としてはメルセデスの圧勝といういまいちな結果に。テレビで見ていたら「なんだこのつまらねえレース」となるところだ。メルセデスを追って然るべきフェラーリ2台がフェルスタッペンを攻略できず後方に沈んでしまったのが残念だった。来季メルセデスの対抗馬はフェラーリではなくレッドブル・ホンダに期待を寄せよう。

↑2年連続の”The Lewis Hamilton Show LIVE”。この人の時代がまだまだ続くのかしら?


 パルクフェルメにマシンが入ってきて、ペヤング、いや、クルサードによるインタビューののち表彰式。毎度おなじみのイギリス国歌からのドイツ国歌を聴き、シャンパンファイトまで見終えてから今年も帰宅グランプリに身を投じる。観客席を出るとすでに人の波がメインゲートに向かってゾロゾロと進んでいて、自分もその列に加わりシャトルバス乗り場を目指す。

↑今年は表彰式までしっかりと見ました。来年のポディウムの頂点にはぜひオランダかフランス国旗がはためきますように。

 今年も帰りは白子駅から。17時45分の名古屋行きの特急券を買ってある。そこそこ余裕がある時間にしたが、シャトルバスの行列具合がわからないので寄り道もせず歩いていく。とはいえ去年のような脇目も振らず、全速力で歩いたのに比べれば今年は落ち着いたものである。15分ほど歩いてシャトルバス乗り場に到着するとすでに3列ほど行列ができている。なかなかすんなりとはいかないが、目の前でバスはひっきりなしに乗客を乗せて出発している。動きがちゃんと見えるのはこういう行列の中にいる時には精神的にもいい。30分弱でバスに乗り込めた。普通の路線バスだったが立ち乗りはさせず、座席の分の人数しか載せないので観光バスよりもむしろ非常にゆったりである。

↑祭りの後は帰宅GP。表彰式終了後1時間強で白子駅まで。この混雑を的確にさばく三重交通には頭が下がります。


 白子駅に着いたのは17時過ぎ。40分ほど時間がある。駅前の飲み屋に入るほどの時間ではないし結局駅に向かう。特急券は7時まですべて満席とのこと。やっぱり事前に買っておいてよかった。構内のコンビニでビールと軽いつまみを買ってホームへ。長い待ち時間だが、すでに酒が抜け、眠気と疲労感が勝ってきた頭と体にはこの何もせずにボーッとしている時間はありがたくもある。お目当ての特急に乗り込んでからは今一度酒盛り。つまみは少しの乾き物とたくさん撮った写真。
 見返しているうちに近鉄名古屋駅に着いた。この時点で時刻は18時半。東京までの新幹線は19時55分発の切符を買ってあるので約1時間半のインターバルがある。あわよくば駅の構内辺りで晩飯でも、と思ってこの時間にしたわけだが、今日は連休中の日曜日。構内や地下街のエスカなどの飲食店は軒並み満席。特に一番気になる味噌かつの「矢場とん」なんて行列ができている。これでは名古屋で晩飯は難しいので次の選択肢であるデパ地下に向かう。名古屋駅の高島屋の地下の生鮮食料品売り場で貝づくしとヒラメづくしの握り寿司を購入。ついでにここでお土産もと調味料関係の棚を探しているとしっかりと「名古屋名物」の棚がある。それまでの醤油や塩なども東京では見ないものがちらほらあったが、この棚に来ると一気に異国感が高まる。赤福やういろうだけでない名古屋の生活感溢れる食材の数々。スガキヤのラーメンにきしめん。それにみそ文化名古屋を体現する味噌ダレ「つけてみそかけてみそ」購入した。ちなみにこの高島屋の地下にもF1モードの人はたくさんいた。
 サーキットみやげと名古屋みやげをたくさん抱えて新幹線に乗り込み東京まで一直線。家に帰ってきたのは10時近く。明日も休みで良かった。

↑30周年はまだまだ通過点。来年もまた来れますように

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